高野勝洋の作品

 

日常から離れて

 

俺は金を稼ぐために写真を続けている。

写真家なんて、作品の大半を被写体に依存しているわけだから、小説家や音楽家と並んで芸術性を語るなんて、どんなに背伸びをしても無理だ。今の時代、写真はアートの世界で生き残れないと思う。

たとえば、コマーシャルの世界で駒にされるのはモデルだけではなくて、フォトグラファーも同じ。そういう意味では、フォトグラファーも広告という毒を呑まなきゃならない。割のいいギャラをもらうと同時に、ある種の病を受け入れなくてはならない。

当たり前のことだが、ビジネスとは過酷なもの。

金を貰うんだから当たり前だ。

デジタルの時代になって、そんな病にも慣れて、完治しようという気もおこらない。
それに堪えられなければ、転職するか、そうでなければ解毒する必要がある。

写真家の、そんな声にならない叫びみたいなものを治癒する優れた特効薬みたいなものが旅だと思う。

 

香港の人々 香港の町並み写真家高野勝洋の作品 九龍高野勝洋の作品

 

日常から離れること。

いつもの自分の位置を動かすことで、見えてくる世界がある。

カメラマンはファインダーというその小さな窓を覗くことで、別の世界を見ることができる。レンズを通してみれば世界と繋がることができる。秩序立てられた社会から離れて、外の世界を素直に受け入れることが、迷子になった子供ようなカメラマンの明るい道標ではないだろうか。

そんな時、カメラの窓は、外の世界へとつなぐ小さな入り口でしかないが。

だけど、その窓は明るい。

 

上環の人々 香港の風景高野勝洋の作品カメラマン高野勝洋の作品 香港の町並みkatsuhirotakano_photo_hngkong_11 katsuhirotakanoの写真男人街香港の夜 イスラムの教会 香港の港男人街の人々

 

結局、写真は個人的な感情でしかない。

日常を『景色』として捉えるか『風景』としてとらえるか、その差は個人の込められた感情の差でしかない。

 

旅は、俺のような三流カメラマンにとって、唯一の処方箋なんだろう。

 

高野勝洋の作品香港の市場香港の人々香港の鶏肉

 

Minolta α-9  85mmF1.4  FUJI PRO400
CONTAX RTSⅢ  CarlZeissPlanar 50mmF1.4   Kodak TRI-X400

photographer 高野勝洋

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