煽動者

高野勝洋が撮影したアメリカ

「煽る」(アジテーション)ということだけで言えば、小泉や橋下も同じであるが、米国のトランプはまさに脅威だろう。

あらゆる批判をものともしない。まるでゴジラだ。

マスメディアは、連日のように批判的な報道をおこない、全面的にトランプとの戦いを繰り広げている。国外のメディアでは米国各地の主要空港での反トランプデモの様子が映しだされ、コメンテーターが口角泡を飛ばし、 いかにこの移民政策変更が「反民主的」で「違憲」であり、「反アメリカ的」であるかを報道している。

世界中が戦々恐々となり反対している。報道だけを見てると、米国民が反トランプ一色のように思える。

しかし、イスラム圏7カ国の市民や難民の入国を禁止する大統領令の署名直後、ロイター通信の世論調査では、支持が49%、反対が41%と賛成意見の方が多かったという。

トランプの支持層はまちがいなく存在するのだ。

元TBSワシントン支局長の山口敬之氏は今回の大統領令について「実は人種差別ではない」と説明する。実は入国禁止令で取り上げられている7カ国は、多くがオバマ政権時代に定められた「テロ懸念国」を引き継ぎ、それらの国から来た人たちを90日間だけ入国させないとしただけだという。

情報が錯綜し、はっきりと見えてこない。ひょっとして、これも国家戦略なのか?

つーか、マイケル・ムーアの新作か?まるで、映画を観ているみたいだ(笑)

トランプ支持者は知識層ではなく労働者層の低所得者だと考えらていたが、結果は大きく異なっていた。報道では、富裕層の反ヒラリー票を多く勝ち取ったいう。一方、反トランプ・デモをみると、大声を上げているのは明らかに著名人を筆頭にした都市の富裕層である。

トランプ政権とは、やはり経済格差から生まれたヒロイズムではないのか。メディアがそれを否定してるだけではないのか。

日本人として個人の利益を考えれば、もちろん俺は反トランプである。

しかし、

マスメディアの報道があまりにも偏っているようにも見えて釈然としない。情報が疑わしい。あまりにも乱れていないか。本来なら、トランプに期待し、反トランプ報道の嵐にじっとこらえている支持層をもっとクローズアップするべきではないか。米国が全体的に反トランプ色に染り、支持率が過去最低だとは考えられない。

トランプ大統領は、大手メディアを相手に自らのツイッターでメディア批判を繰り返すことで、既存のマスメディアを信じない層を支持者として取り込んだとも言われている。情報操作によって、大衆を直接煽動しているのはマスメディアではないのか。

ヒトラーを選んだのはひとであり、火星から舞い降りてきたわけではない。

そして、

トランプを選んだのもひとである。

 

マイケル・ムーア(映画監督)。『華氏911』(原題: Fahrenheit 9/11)は、アメリカ同時多発テロ事件へのジョージ・W・ブッシュ政権の対応を批判する内容を含むドキュメンタリー映画。「それは自由が燃える温度」というキャッチフレーズがつけられたが、これはレイ・ブラッドベリ『華氏451度』においてそのタイトルが、本が自然発火する温度にちなんでつけられたことに由来する。

 

 

自由が燃える

炎上のイラスト

炎上という言葉をあちこちで聞く。もはや流行語。

でもさー、

炎上は煙たい。

目も痛くなるし、やかましい。

 

トランプと同じアプローチ(炎上)で大成功した煽動者が絵本芸人・西野だろう。

ツイッターというデジタル・メディアに精通し、批判を種(糧?)に炎上商法で注目を集めた。キャラクター、パフォーマンス、ビジネス・スキルなど、トランプとの共通点は多い。

エンターテーメントの世界では、炎上はひとつのスキルだ。自作自演はあたりまえ。つーか、それもふまえてエンターテーメントか(笑)

酒場で小言(ボヤき)をいっているのと、壇上で演説するのとでは天と地の違いがある。
炎上している間は、舞台の主役だ。
善くも悪くも名前が売れる。
善くも悪くも売れればスポンサー(広告)がつく。ここまではフツーの話。

プロモーションとしての大きな目標は、いかに長く舞台に立ち続けるかということである。

デジタル・メディアの世界では、その舞台の袖に『広告』を掲げたモデルが長蛇の列をつくっている。世間を賑わすのはエンターテーメントだけではないからだ。

そういう意味では、今回の絵本芸人もゴジラだ。

本人も自賛してるように、Yahooニュースのトップに30日間アップされ続けたわけだから、賞賛の声があがるのも無理はない。

まさに、トランプ大統領と競っていた(笑)

炎上といっても、誰でもできるわけではないからね。

『火事と喧嘩は江戸の華!』吉原かっ(笑)

そもそもツイッターで議論なんておかしいだろ(笑)

140字なんて、ボキャブラリーがそこそこ豊富なひとでも乱暴になる。口撃的になる。バトルだよ。

絵本芸人はツイッターを使って予め、あっちこっちに火種をまいていた。炎上の伏線を張っていたのだろう。

俺が最初に知ったのは2年前。

ツイッターで『なんで、無償で描くイラストレイターを募集しちゃいけないのか?』という投稿で炎上させていた。その時は、著名なイラストレーターが現れ、諄々と説き伏せた。『無償という言葉でなく、ボランティア募集でいいだろっ!』これでようやく消火。

去年は、クラウドワークス(絵本芸人が顧問である)での『月に5万でいいじゃん』発言で炎上。専業主婦をエサに、ライターの買い叩きが火種になったようだが、注目されたのはクラウドワークスのガイドラインだった。

以下、引用。

webメディアの発達や、検索エンジンのアルゴリズムの変化によって、ライターの仕事として「リライトライター」という新しい仕事が生まれてきています。
リライトと一般的に言うと、文章をできるだけ変更せず、推敲や校正などにとどめてよりよい文章にするための作業と認知されていますが、ここでいうリライトとは全く違います。渡された文章を、「言いたいことは変えずに、全く違う表現方法に書き直す」という作業のことを言います。
多くのサテライトサイトを運営している場合、コンテンツのネタを考えるのは一苦労。同じネタでも、全く違う表現方法でたくさんの記事を制作することによって、キーワードやテーマを節約できるという技とも言えます。

 

ライターを低単価で買い叩き、質の低い記事やパクリ記事を大量生産するプラットフォームとして問題視された。

『 他の人間が書いた文章をバレないように剽窃するためにちょっと書き直してくれ、と言っているようにしか見えない。公式的にこういう行為を助長するのは社会通念上問題はないのだろうか。』

というユーザーの訴えに対し、何事もなかったように『 嫌ならやらなきゃいい』と答えるクラウドワークス顧問・西野。

2016年2月には、クラウドワークスが決算時、月額20万円超のワーカー数が「111人」だったと公表。同社の登録者数80万人からすると、約8000人に1人しか20万円超稼げない計算となったため、ネット上 で「クライアントが安く買い叩くためのサービス」と批判が巻き起こった。

そして2017年、『お金の奴隷宣言』からの糞ダセー発言。

クリエイターが激怒するのは当然だ。

2016年末のDeNA事件により、このような問題がようやく明るみになったが、実際、西野(クラウドワークス顧問)を援護射撃(批判=薪)するのに労働したかと思うと、せつない。

 

『お金の奴隷宣言』という劇場

劇場のイラスト

『お金の奴隷宣言』という記事に対して、論理矛盾という意見がほとんどだ。

ページ全体を見渡せば、確かに筋道はまるであっていない。

タイトル、見出し、本文とまっすぐに読めば、『は?なにいってんのコイツ?』となる。

あー言ったり、こー言ったり。

しかし、これは意図的な段組みと考えた方が利口だ。

例えば、あのブログ記事を『ひとつのネタ』、ようするに『お金の奴隷宣言』という漫才の台本を読まされた気になって、あらためて吟味すれば納得出来るんじゃないか。

時事ネタ→ボケ→ツッコミという図式であれば、ツッコミ部分を消した台本と言っていい。

もちろん、ツッコミをするのはアンチ・ユーザーだ。

シェイクスピアのように洗練されたセリフ。

小学生のエピソードで美談に持ち込もうとするくだりはあざとい。詭弁ゆえに実際、ツッコミどころが満載だろう。

ついでに、『糞ダセー』と煽る。それまで、どーでもいいと思っていた外野のクリエイターまで、ついバトルに参加してしまう有様だ。

情報(データ)の『無料公開』って?

批判の声が増えようがケチつけられようが、最終的に注目さえ増せば損することはないというスタンスだ。

批判は大歓迎。批判されるほどアクセスは上がる。

広告収入はNPO法人に寄付?もはや、後だしジャンケン。

キュレーション・サイトでは『お金の奴隷宣言』と『無料公開』が見事にバズってる。これがオチだ。批判記事は500を超えるという。おまけに、その批判記事の内容も論点がズレまくってるから、まさに出口なし。

ただの情報公開(宣伝)が美徳に映る。多くの情報弱者にとってはアンチ・ユーザーがアンチだ(笑)

アンチのおかげで『支持』が増える構図。まさにトランプvsヒラリーだ。

早い段階で、絵本芸人に一票を投じた広告会社はバンザイだ。

絵本芸人に便乗して儲けようとする拝金野郎が増えるだろう。

 

論理矛盾ではなく、あらかじめ多くの論点が準備されていた文脈と考えていい。

彼の主張を論点ごとに切り抜くと正論で、むしろ多くの批判の内容のほうがおかしい。

出版事情やフリーミアムの知識がないユーザ(某アニメ声優さんを含め)が火種をつくってしまっている。

まるで三谷幸喜が書いた『12人の優しい日本人』というコメディみたいだ。

だけど、リテラシーが低い層を責めることはできない。

もともと、絵本芸人のターゲットはそんな人々なのじゃないのか。

彼はGoogle、ツイッターを軸にデジタル・メディアに精通した、炎上商法のマスターだ。

絵本じゃなくて、ビジネス書にしたらいいのに。

あっ、絵本だから燃えたのか(笑)

 

以下、引用。

100万部売ると決めた。そのうち、「脱・お金の奴隷解放宣言!」とか言い出して、「っざけんな西野!お金の奴隷解放宣言しろや!」と世間の皆様から怒られるシナリオもいいと思っています。

と、公言していたが燃料(ネタ)が尽きたのだろうか。

キュレーションメディア問題が歯止めをかけたのか。

 

先日、Googleがアルコリズムの変更を発表した。

日本の「WELQ」騒動に端を発したキュレーションメディア問題に対しての対策だろうが、これは異例である。驚いた。

アルコリズムを変更したからといって、キュレーションサイトがなくなるわけではない。リライトライターが減るわけでもない。SEO会社が、アルコリズムの網をかいくぐる手口を探すんだから、結局は、いたちごっこだ。

しかし、ネット民への警告としてはタイミングが良かったとは思う。
おかげで、荒れていた海が、ようやく静かになった感がある。

絵本芸人もおとなしくなった。

 

というわけで、俺もこの一連の騒動に関して書く気になったわけです(笑)

炎上に加担したくないし、一方で売名行為だって言われるのも癪だしね。

 

 

ネットリテラシーの不足

 

トランプ問題にしても西野問題にしても、いわゆる情報弱者がアジテーターにとっての恰好の標的となった。

 

以下、引用。

西野氏のブログもろくに読まずニュースの見出しやSNSで流れてくる誰かのコメントだけみて「無料公開素晴らしい」ってバカなんじゃないですかと。そもそ も、今回はそういう話じゃない。そういう論理矛盾に気づかず上っ面だけで情報判断するからマスコミや政治家にだまされるんだよ。

本気で子供たちに読んでほしいなら劣化版ネット公開じゃなく現物配布でしょ。クラウドファンディングってそういうためにあるんじゃないのかな。

都合の良い自分勝手な事実にねじ曲げて、論点のすり替えをして、あたかも自分は正しいことをしたみたいな胸糞悪い話。

ブログ記事を読む側も、ちゃんと情報を精査し論理的思考でものを考えないと。わからねーのに『いいね』とかするな!

キュレーション・サイトの情報操作のおかげで、まっとうな記事を見つけるのは今では難しい。西野に対する批判も多くは論点がズレている。もちろん犬もいただろう。

確かに、

絵本芸人の煽動にかかわらず、ユーザーの情報精査の不足が一番の問題である。

よーく、わかる。

ネットの情報を鵜呑みにしてメディアの餌食になっているひとは減らない。この現実は否めない。

結局、何をいってもわからない人なら無為に参加するなって言いたくなる。

そりゃあそうだ。だって、その軽薄な一票でヒトラー政権が生まれるわけだから。よーく、わかる。

正直、俺も『こんだけ毎日スマホをいじってて、なんでわかんないの?』と、ネットに無能な人々に苛立ちを感じてた時期がある。

今の時代、知らないということが免罪符にはならない。

しかし、

本当に、ユーザーのネットリテラシーの不足だけを責められるのか?

もし、ネット上の情報氾濫が発信者の戦略であれば、それこそ悪質なものとして非難するべきではないのか?

ニュースそのものが信頼に足るものかどうか、そもそも普通の人には検証できないのではないか?

俺には、情報を受け取る側にウェイトが掛かり過ぎているように思えてならない。

 

 

クリエイターの姿勢

 

絵本の表紙

 

ビジネス目線であれば、絵本芸人の優れたマーケティングには賞賛する。南国でコタツを100万個売る方程式であれば、文句ない。

しかし、

ライターを買い叩き、さんざん煽った挙げ句に、『糞ダセー』はやはり下品だ。

そして、

絵本(児童書)という子供の向けの本が対象だからこそ、マーケットの本質がズレているように思える。また、今回は33名のクリエイターによって、4600万?大規模?な制作だったからこそ、多くの期待があったのではないか?

騒動の最初に訴えた某アニメ声優さんは、支援者の一人として違うプロモーションを望んでいただけだ。何万部売れたかじゃなく。

 

一体、なにを伝えたいのか。

クリエイターの立場からしたら、絵本の話をしましょうよっていうのが本音ではなかろうか。

ようするに作品の価値だ。

 

俺は絵本が好きだし、絵本で育った。息子にも絵本の読み聞かせをした。

俺は毎月10日程、保育園の撮影をしている。絵本のチョイスをする先生、絵本をみる子供たちを撮影している。教育の現場でも絵本は重要な存在なのだ。

絵本が売れないのは需要がないからでない。

実際、俺はこの絵本芸人の本を手にした。
よくもなければ悪くもない。
絵は緻密で、本よりも、大きな展示して鑑賞したい気はしたが。

遠慮なく言えば、過剰な宣伝に見合った絵本ではないと思う。

もし今夜、俺が子供に読み聞かせするとしたら、この本は選ばないだろう。それは、作品を批判してるのではなく、他にもたくさん素晴らしい絵本があるという比較からだ。

明日も、保育園の先生はエリック・カールの『はらぺこあおむし』をチョイスする。

 

 

正しい判断をするためには、正しい情報が必要だ

 

俺はネット民である。

カメラマン・写真家として収入を得ているが、インターネットを存分に活用している。

そもそもインターネットという大海原は巨大ではかりしれない。ネットリテラシーの強化は必要だが、正しい判断をするためには、正しい情報が必要である。

絵本芸人の『無料公開』劇場のせいで、フリーミアムの論点がズレまくっていたが、リテラシーの問題ではなくイタズラな漫才を非難するべきだ。

ネット上の情報氾濫が発信者の戦略であれば、それこそ悪質なものとして非難するべきだ。

絵本が紙媒体だという前提であれば、フリーミアムによってクリエイターの価値が下がるなんていう批判は馬鹿馬鹿しい。

一方、絵本をスマホの画面で鑑賞する前提はここでは論外だ。

俺が問題にしたいのは情報(テキスト・コンテンツ)発信者の姿勢だ。

これは、まるで『うちの子がバカなのは教師のせいだ』と学校を訴えるバカ親のように聞こえるかもしれない。

しかし、

情報(コンテンツ)には価値がある。

なぜなら、ひとには正しい判断が必要だからだ。

低品質のコンテンツはいらない。有害なだけだ。安かろう悪かろうだ。価値があれば、それに見合った対価が支払われるべきだ。

フリーミアムとはひとつのビジネスモデルにすぎない。有償コンテンツのマーケットが拡大しなければ、コンテンツの価値は上がらない。

クリエイター(ライター)の質が悪いから、市場価格が下がっているのではない。

既存のマスメディアを信じない層が選択するのは、高品質のコンテンツだ。価格問題ではないはずだ。

ソーシャルメディアの進化の賜物が炎上商法なのか?

アジテーション以外の、選択肢はないのか?

炎上なんて煙たいだけだ。

 

クラウド・ソーシングは今後もビジネスツールの中心になる。

あらゆるマーケットの土壌というポテンシャルがあるだけに、今回の西野騒動は残念である。

 

ノー・コメントという立ち位置が、常に安全とはいえない時代

 

アジテーター。

アジテーターの根底にあるもの。野望を動かす燃料とは?

これは私見でしかないが、彼らは怒りや憎しみのようなものに突き動かされているように見える。

想像すると気後れするが。

 

トランプはまさにハイブリット・アジテーターだ。メキシコとの国境に「壁」、イスラム圏7ヵ国からの入国禁止。選挙運動中に掲げた公約を次々と実行している。ツイッター上の喧嘩とは訳が違う。

米国が分断するような事態になれば、戦争がはじまる。

トランプの支持層はまちがいなく存在するのだ。毎日のように繰り返される反トランプデモの中、戦々恐々となるトランプの支持層がいる。

彼らは身を隠しながら、ますます燻っているのかもしれない。

自由が燃える。

ノー・コメントという立ち位置が、必ずしも安全とはいえないからだ。

 

現代社会でスマホ離れは難しい。情報と上手く付き合わなければない。

炎上という煙に巻かれて、本質が見えないままでは危険だ。

だから、情報(コンテンツ)には価値がある。

なぜなら、ひとには正しい判断が必要だからだ。

ノー・コメントという立ち位置が、必ずしも安全とはいえないからだ。

 

ヒトラーを選んだのはひとであり、トランプを選んだのもひとである。

良くも悪くも、ひとは選択できるのだ。

 

『ひとは自由であることに呪われている』(J・P・サルトル)

 

以上。

 


 

あー、疲れた。

こういう文章はつまんないしー、苦手だし、俺はいわゆるジャーナリストでもなければ、立派な人間でもない。どこにでもいる三流カメラマン。

写真を褒められることはあっても、人間的には欠陥だらけだしー(笑)

南国のマリファナ畑に囲まれた土地で、ハンモックに揺れながらプルーストの『失われた時を求めて』でも読んで、のどかに!平穏に!暮らしたい!とマジで思っているしー(笑)

『正義』ってなーに?『まさよし』って読んだほうが楽しーじゃん(笑)

もしアメリカ国籍だったら、ボブ・ディランに投票してたしー(笑)

One Too Many Mornings  /  Bob Dylan

『いつもの朝に』

道端では犬が吠えつづけ
一日は次第に暗くなる
そして夜のとばりが下りると
犬は吠えるのをやめるだろう
そしてぼくの心のなかの音で
夜の静けさは砕け散る
だってぼくはひとつだけ多すぎる朝と
千マイルをすごしてきたんだから

ドアの前の十字路から
ぼくの目はかすみ始める
ぼくは部屋を振り向いて
恋人を見つけて一緒に横になった
そしてまたじっと通りの
歩道と看板を凝視する
だってぼくはひとつだけ多すぎる朝と
千マイルをすごしてきたんだから

それは落ち着かず満たされない気持で
だれにもいいことなんかない
ぼくが言うことだったらなんでも
きみは同じくらいうまく言える
きみの立場からはきみは正しい
ぼくの立場からはぼくは正しい
だってぼくたちはひとつだけ多すぎる朝と
千マイルをすごしてきたんだから

 


 

とにかく、

最近、ちょっと騒がしいよね。

うん。

うるせーんだよ!

おだやかにいこう。

photographer 高野勝洋

 

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